願いながら縫い裁つ洋服、一点ものを手にする幸福「繕い裁つ人」

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こんにちは!

ブログ担当のIです。

今日はものづくりをしている人におすすめのマンガをご紹介します。

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仕立てってのは決して安くはないだろう?
一生に一着って人も少なくない
私たちにとっては数ある中の一着でもね
だからね 市江
私たちは願いながら縫うんだよ
その人がうんと美しくなるように
その人の人生が成功するように
その人に最高の幸福が訪れるように

「繕い裁つ人」作:池辺葵

デザイナーを描いたマンガはたくさんありますが、意外と少ない「仕立て屋」を描いた1作。

主人公は祖母の遺した洋裁店を継ぎ、自ら仕立て屋として服を作り続ける市江さん。

心ある仕事をしようと努める彼女と周囲の人々との交流が描かれています。

市江さんのお店にはさまざまな人が仕立てを頼みに来ます。

母を看取るための準備に黒のワンピースを頼む女性、長い付き合いの市江さんにウエディングドレスを頼む友人、仕事づくめの母に美しい装いをさせたい女子高生。

登場するお客さんの目的はさまざまですが、市江さんはひとりひとりに対し、丁寧な仕事を返します。

美しい仕立ての服を着た母を見て誇らしげな気持ちになったり、黒のワンピースの美しさが心を軽くしてくれたり。

その人のためだけに作られた、その人にぴったりの、その人を美しく見せてくれる服。

オーダーメイド服を手にする幸福と、その幸福を作り出そうと尽くす職人の矜持が淡いタッチの画から伝わってきます。

冒頭の言葉は市江さんに仕立てを教えてくれたおばあさんが学生の頃の市江さんに語りかけた言葉。

「作る人」「頼む人」のどちらの心にも染みこむ、優しい作品です。

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