ラジオ感覚で聞けて伝統工芸が身近になるニッポン手仕事図鑑配信の『Bar KO-BO』が面白い

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なんとなく敷居の高い伝統工芸。でも、ちょっと使ってみたい気持ちも、自分には使いこなせないのではというプレッシャーもある。

そんな伝統工芸の世界が少し身近になる。そんなコンテンツを見つけました。それはニッポン手仕事図鑑が配信する『Bar KO-BO』。

職人の技術や文化を記録する動画メディア「ニッポン手仕事図鑑」が企画したこの動画は、全国各地の伝統工芸職人2名をゲストに、産地の生の声を届けるというもの。「どうして職人になったんですか?」「技術を残すために何を考えていますか?」「お客さんにどう伝えていますか?」などなど、さまざまな話が飛び出します。※写真は第十夜に登場した 紀州箪笥職人・東福太郎氏と畳職人・青柳健太郎氏。

同メディアはこれまでも生産の場に出向いて製作の一部始終を伝えたり、生産地の様子や、工芸品の歴史について取り上げたりしてきました。

しかし、これまでの動画が洗練された映像作品であったのに比べると、『Bar KO-BO』はだいぶラフ。編集長の質問に2人の職人がゆるりと答える様は、平日午後のラジオ番組のようなまったり感があります。

ですが、このゆるさがなんだか楽しいのです。思えば、伝統工芸品というものについつい「格式高いもの」「洗練された大人になってから使うもの」「お金のある人が買うもの」というどこか堅苦しいイメージをかぶせていました。

しかし、この動画を見ていると、職人と呼ばれる人たちも私たちと同時代の人々であり、同じように生活を営む中で、受け継がれてきた技術を活かして私たちの生活に寄り添う物を作っているということがわかります。

畳職人の「お客様のところで直接話す機会が多いので、落語家の話などを参考にしたり。デパートに立った時なんかは30秒で終わる話、1分で終わる話、5分使ってもいい話を用意している」話や、一刀彫の職人が「幼い息子をおいて1週間家を空けなくてはいけない仕事が発生して、とても心配していたけど、当時の夫からの連絡では、意外と自分がいなくてもうまくやってくれていた」話、大島紬職人の「大島紬を残すために、着物を作っていくのか、生地に力を入れるのかすごく考える」話など、働く事の難しさや技術を残していくために何を考えればいいのか。

どんな仕事にも通じる大変さも、伝統工芸ならではの面白さもこれらの動画から知ることができます。

これを見てすぐに登場する職人たちの作ったものが買いたくなるという動画ではないでしょう。でも、伝統工芸と言われるものがどんな人たちによって受け継がれているのかを知ることで、新しく生まれる敬意や好奇心もあります。

今を生きる職人たちの声がラジオを楽しむ感覚で聴ける動画『Bar KO-BO』。

伝統工芸に興味がある人はもちろん、経営者やクリエイターにもおすすめです。

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