広がる表具の世界、伝統の技術と現代のアーティストがコラボする「Space Mounting|スペース・マウンティング」が開催

美術・博物館

 「表具(ひょうぐ)」という言葉を知っていますか?

 

 布や紙を張って仕立てる障子、襖、画帖、衝立、屏風、貼り付け壁、掛け軸、巻物、額装のことを指します。そして、これらを作り、補修する人のことを表具師と呼びます。

 西洋絵画に例えるならば、額装に当たる部分が表具師の仕事の一つです。このほか、古くなって傷んだ作品の補修なども表具師が行います。

 そう、知らないとつい勘違いしてしまいますが、画を描くことと巻物を作ることは別の職能なんですね。描かれた作品を生活空間の中で長く飾ることができるように加工し、さらには画を引き立てるようなしつらえをする表具師は、東洋絵画の歴史の中でとても重要な役割を担ってきました。

 この表具をテーマにした展示「Space Mounting|スペース・マウンティング」が、京都伝統産業ミュージアムの企画展示室で開催されます。

 織物、和紙、漆、陶芸、木工など様々な工芸分野を組み合わせ、画家や書家とともに軸装、額装、襖、屏風などを制作する表具師。

 数多くの知識と、経験に裏打ちされた高い感性が反映された技術は、茶道、建築、アート、デザインなど、さまざまな世界と組み合わさり、見るものの心を刺激します。

 今回の展示では、表具師の井上雅博による監修のもと、書家や裏千家茶道准教授といった日本文化にゆかりの深いアーティストのほか、マンガ家、写真家などさまざまな分野の表現者とのコラボレーションが実現。表具という技能から広がる新しい文化体験が期待できます。

 伝統の技術と現代の表現がつながり、新しい世界が広がる瞬間を目にしてみませんか。

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特別企画展「Space Mounting|スペース・マウンティング」
会期:2021年6月12日(土)~8月29日(日)
休館日:6月28日、7月26日、8月16日、17日
開館時間:9:00–17:00(入館は16:30まで)
会場:京都伝統産業ミュージアム 企画展示室
入場料:800円(18歳以下無料)

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