古代のガラス工芸技法を自宅で再現!パート・ド・ヴェールの解説書が登場

書籍

 株式会社誠文堂新光社(東京都文京区)は、2021年7月8日(木)に、『パート・ド・ヴェール』を発売いたします。

 

 紀元前、古代メソポタミア時代に生まれた「パート・ド・ヴェール(Pâte de verre)」という技法を知っていますか?

 

 日本語で「練りガラス」を意味するこの技法。粉状にしたガラスをのりで練って、耐火型に貼り付けて焼成していたためそのように呼ばれています。

 

 技法が誕生したのは古代メソポタミアですが、アール・ヌーヴォー期にフランスで花開き、独自の魅力を備えたさまざまな作品を生み出しました。

 

 パート・ド・ヴェールでは作品ごとに型を捨てなくてはいけません。まず、粘土などの原型から耐火石膏で鋳型を起こし、ガラスの粉や粒を調合して型に詰め、電気炉で焼成。型どおりに熔けた作品を、最後に型を壊して取り出し、磨いて作品が完成します。

 

 ひとつひとつ型を作る必要があるため量産には向かず、衰退と隆盛を何度も経たことから「幻の技法」とも言われています。

 

 この「幻の技法」を丁寧に解説し、個人でも作品制作ができるように解説した本『パート・ド・ヴェール』が7月8日に発売されます。

 

 著者はパート・ド・ヴェールの作品を中心に発表し、後進の指導にもあたるガラス作家、由水 直樹さん。

 

 スタンダードな5つの型取り法を、18点の作品の作り方とともに紹介しており、ピーナツやバナナから型をとったユニークなものから、ケーキをイメージした小箱、器、アクセサリーなど、色やレリーフの美しさも楽しめる作品をとおして、技法が身に着けられるようになっています。

 

 工程は多いですが、ひとつひとつの作業はシンプル。また、直接熱したガラスをさわる必要がないため、比較的安全に作品が制作出来ます。歴史あるガラス工芸を、自宅で楽しめるユニークな本。一度手に取ってみてはいかがでしょう。

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