モダンデザインのパイオニア・杉浦非水展「杉浦非水 時代をひらくデザイン」が開催

美術・博物館

 たばこと塩の博物館で、モダンデザインのパイオニアとして知られる杉浦非水の特集展示「杉浦非水 時代をひらくデザイン」が開催中です。

 

 もともと円山派の川端玉章に師事して日本画を学んでいましたが、在学中にフランス帰りの洋画家・黒田清輝がもたらしたアール・ヌーヴォー様式の図案に魅せられ、図案家としての道を進むことになった非水。

 明治41年(1908)に三越呉服店の嘱託となり、その後図案部初代主任をつとめ、昭和9年(1934)に退社するまで足かけ27年にわたって同店のポスターやPR誌表紙などのデザインを一手に担いました。三越以外にも、様々な企業のポスターやたばこの「響」「光」といったパッケージなどを手がけ、非水の単なる「宣伝」の枠を超えた図案家としての幅広い活動から生み出された作品の数々は、現在でいう「グラフィックデザイン」の原点といえます。

 もっとも知名度の高いのは「東洋唯一の地下鉄道 上野浅草間開通」ポスターでしょう。駅のホームで電車を待つ人々のモダンな服装、左奥に描かれた黄色い車両とのコントラスト、そして、奥に向かって三角形を作る吸い込まれるような構図。洗練されたデザインは、当時を代表するポスターとして、さまざまな場所で紹介されています。

 同展覧会は4章で構成、非水の故郷にある愛媛県美術館所蔵のコレクションを中心に、ポスター、装丁、雑誌表紙、パッケージデザイン、図案集などの代表作はもちろん、彼の創作の背景を知るためのスケッチ、写真、遺愛の品々もご紹介します。東京美術学校時代の作品から晩年のデザインまで、前後期合わせて約300点を展示し、非水の足跡をたどる展覧会。

 

 デザインの勉強にも役立つ楽しい展示です。

杉浦非水 時代をひらくデザイン
会期:2021年9月11日(土)~11月14日(日)
会場:たばこと塩の博物館
入場料:大人・大学生/100円、満65歳以上の方(要証明書)/50円、小・中・高校生/50円
HP:https://www.tabashio.jp/

 

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