特殊印刷加工を多用し、紙と印刷の魅力を突き詰めたポスター制作の裏側を紹介「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」

美術・博物館

 少女と俳句をテーマにした宇野亞喜良氏の作品に、雑誌『デザインのひきだし』の編集長・津田淳子氏が特殊印刷設計を試み、新たな世界を作り出した「宇野亞喜良 万華鏡」展(2022年12月9日〜2023年1月31日)。

 昨年から今年にかけて話題となったこの展示の、ポスター制作の裏側を解説・展示する「宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-」が、「市谷の杜 本と活字館」で開催中です。

 コールドフォイル、白引き、蛍光ピンクなどの特殊印刷を多用し、画集上でキャンバスを再現した書籍『宇野亞喜良画集 Kaleidoscope』に続き、津田氏が二度目の特殊印刷設計に挑んだ「宇野亞喜良 万華鏡」展は、特殊印刷によって新たな作品として蘇るポスターの数々が話題となりました。

 「印刷というのはイラストレーションを確実に復元するんじゃなくって、出来上がったものがよければそれが一番いい」という宇野氏の考えから、オフセット印刷に加え、箔押し、段ボール紙や新聞紙へのシルクスクリーン印刷、手漉き透かし和紙への印刷など、さまざまな実験的手法を用いることで、凄みを増した新たな宇野作品が生まれた「宇野亞喜良 万華鏡」展。
 本企画展では、そのポスター制作の裏側を解説・展示。時代を超えて普遍的な魅力を放ち続ける宇野作品が、印刷の専門家も驚く姿に変貌した19作品、21種類の特殊印刷加工ポスターの制作過程にフォーカス。技法の解説とともに、津田氏の修正指示が書かれた色校正紙や印刷の版なども展示します。完成に向けてどのように試行錯誤を重ねたか、その舞台裏を「印刷花絮(かじょ)(こぼれ話、裏話)」と題し、前期・後期に分けてご紹介します。

 印刷の、そして紙の面白さを突き詰めてきた津田氏だからこそなし得た宇野氏とのコラボレーション。

ぜひその豊かな世界をご堪能ください。

宇野亞喜良 万華鏡印刷花絮 Aquirax Uno Kaleidoscope -Behind the Scene-
会場:市谷の杜 本と活字館
会期:前期 2023年3月4日(土)〜6月25日(日) / 後期 2023年6月28日(水)〜10月29日(日)
開館時間:平日11:30~20:00、土日祝10:00~18:00
休館:月曜・火曜(祝日の場合は開館)
入場料:無料(完全予約制)
HP:https://ichigaya-letterpress.jp/gallery/000287.html

 

書名:宇野亞喜良画集 Kaleidoscope(カレイドスコープ)
発行元:グラフィック社
著者:宇野亞喜良
ブックデザイン:大島依提亜
特殊印刷設計:津田淳子(『デザインのひきだし』編集長)
定価:4,950円
判型:A4変形 上製・函入り
ISBN:978-4-7661-3506-0

 

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