こんにちは、pleshe運営事務局のeyeです。
今回は『JAZZARTせんがわ2017』のプレイベントである、「即興演奏入門ワークショップ」に参加させていただきました。
「ものづくりブログのplesheで即興演奏をテーマにするとは、これいかに?」と思われた方もいらっしゃると思いますが、その場の空気で偶発的に生み出される「一点ものの作品」である即興音楽もまた、広義の「ものづくり」に当てはまるのではないかという想いから書かせていただきます!
さて、講師である巻上公一さん・清水一登さんのお名前を聞いて、すぐにわかる方は結構な音楽マニアかと思います。
1980年前後のYMOブーム後に「テクノ御三家」と呼ばれたバンド、ヒカシューの方々です。(※年齢がばれます)
内容は、イギリスのジャズドラマー、ジョン・スティーブンスの教本『探求と熟考』(原題「Search & Reflect」)を元に、第1部・リズム編、第2部・即興演奏編の2部構成になっています。
第1部・リズム編
リズム編では、まず最初に言葉で「1」と言う人と「2」と言う人の2グループに分かれて、周りの声に耳を澄ませながら、自身の声を発していきます。
難易度が上がると1の人が2に変化したり、1・2・3の3グループになったり、間に手拍子をはさんだりしていきます。
ジョンは即興演奏について「2人以上の人が道を歩きながら話をする」という比喩を用いるのですが、とにかくリズムありきです。
歩幅の違う人同士が無意識に速度を合わせること。そして、その場全体の音を聞くために自身の音量を調整していくこと。
楽器の経験は不問、参加対象は小学生以上となっているのですが、これがなかなか難しい。
頭で思うように体が反応しなかったり、他人のミスで動揺してつられてミスをしてしまったり。
そのミスによって新しいリズムが生まれて面白い変化が生まれたりということが、参加者10数名の調和によって構成されていくという、なんとも不思議な時間が生まれます。
第2部・即興演奏編
即興演奏編では、そのリズムに合わせて各自楽器を鳴らすところから始まります。
参加者の皆様は個性的な楽器の方が多く、ハーディーガーディーやニッケルハルパのような民族楽器もあれば、瓶のフタをつなげた手づくり楽器?もあり。
円状の席で時計回りに、前の人の鳴らした音を真似る「ゴースト」という演目があったのですが、前の人がカスタネット&プープー音の出るキューピー人形で、後の人が弦楽器という展開が衝撃的すぎました。
弦楽器で必死で高い音で真似るも失敗し、その失敗を次のハーモニカの人が真似て吹き、さらに別の楽器の人が工夫して真似ていく。
ぐるりと1周する頃には何一つ原形をとどめていませんでした!
そんなこんなで『探求と熟考』からいくつかの演目が続きます。
各自思い思いに出した音がある瞬間に音楽らしく構築されていく瞬間があったり、音楽であったものがまたバラバラになっていったりという時間の連続。
果たしてこれは「音楽をつくった」と言えたのだろうかという問いも参加メンバーから生まれました。
結果としては音楽であり、音楽ではなかったかもしれません。
しかしその問いに対する私なりの気づきは『一瞬のひらめきで音を出し、自己を表現し、共有し合うということ。それは人間のごくプリミティヴな衝動であり、それこそが創作の原点なのではないか』ということでした。
・・・と、長くなってしまいました。
メインイベントである『JAZZARTせんがわ2017』は、いよいよ9月13日から始まります。
即興演奏を中心に素晴らしいアーティストがたくさん出演し、土日には街中のいたるところで演奏を観ることができます。
仙川は緑が多くて素敵な街ですので、普段JAZZに触れることのない方もふらりと散策に立ち寄ってみると新たな発見があると思います。
今回で10回目を迎える『JAZZARTせんがわ2017』
日程:2017年9月13日(水)~17日(日)
会場:調布市せんがわ劇場、仙川駅前公演 ほか