80～90年代テイストで遊ぶ若手が集合！懐かしくて新しい「ニューレトロ イラストレーション-」

80～90年代のイラストやグッズが持つ独特のテイストが、ここ数年根強い人気です。

懐かしいファンシー雑貨を思い起こさせるステレオテニス・フレッシュパンチや、バブル期のマンガやCDジャケットを思わせる色遣いやキャラクターのYAMANEYOSHITAKEなど、多くの作家がどこか懐かしいテイストのこうしたイラストを発表し、人気を獲得してきました。

レトロというには少し新しい。懐かしいけれど、最先端な部分もある。こうした独特の表現を「ニューレトロ」という言葉で表した本「ニューレトロ イラストレーション-」が出版されました。

表紙イラストはtofubeatsら最先端のポップミュージックの作り手のCDイラストなどを担当し、一躍有名になったYAMANEYOSHITAKE。公衆電話で話す男性の姿を、天使やヤシの木形のネオンサインを散りばめられています。

公衆電話・ネオンサイン・ダボついたジャケットに濃い眉の男性……。かつては当たり前に存在したこうした光景が、2020年に新しい意匠で登場しているのはおもしろいですね。70～80年代の少女たちの間にカントリー調の雑貨が流行ったように、80～90年代のモチーフは10～20代には懐かしくも新鮮なものとして映るのかもしれません。

このほかにも、「YAWARA！」や「ツルモク独身寮」の装画をイメージさせるナム13。80年代のファンシーなおみやげを思い起こさせるサンシモ。林静一的な人物に現代的な色彩感覚とモチーフを組み合わせたsaitemissなど、さまざまなイラストレーターが紹介されています。

80年代をリアルに生きた人も、そのころには生まれていなかった人も引き付けるニューレトロ。不思議なバランスで存在するこの感性を、楽しんでみませんか。