マンガ『ゴールデンカムイ』をきっかけに、アイヌ文化に興味を持ち始めた人は多いのではないでしょうか。
アイヌ民族はもともと日本列島北部で生活する先住民族で、狩猟・漁労・採集を主とし、自然とともに歩む生活を続け、独自の文化や芸術を作り上げてきました。
動物や自然の風景、日用品などをモチーフにした独特の図柄はアイヌ文様と呼ばれ、アイヌを代表する文化の一つとなっています。
「Nibutani Ainu Craft Project(二風谷アイヌクラフトプロジェクト)」はアイヌ工芸の伝統を未来につなぐことを目的に、2020年10月に始動。コシノジュンコを総合デザインディレクターに迎え、地元工芸作家や公募クリエイターなどが手掛けた商品を制作していました。
そのアイヌ文様を彫りこんだ日用雑貨が、「Nibutani Ainu Craft Project(二風谷アイヌクラフトプロジェクト)」によって販売されています。
今回販売するのは、アイヌの伝統工芸「カパラミプ」に使用される切伏刺繍から着想を得て制作されたボディバッグ「ラタ(RATA)」(7095円)や、アイヌの工芸品のひとつである「イタ」(平たい木製の盆)の彫刻の文様を持ち手に施した折りたたみ傘「アプンノ(Apunno)」(6050円)、アイヌの伝統工芸の一つ「アットゥシ」と北海道産のエゾシカを使ったベルト「イラムノ(Iram no)」(3万5640円/すべて税込)など6アイテム。
また、渋谷のEQUALAND SHIBUYAにてポップアップショップ「つくって・出会って 二風谷アイヌクラフト」が2月27日(日)までの期間限定で開催。今回ご紹介した商品だけでなく、その発想のもととなったアイヌの伝統工芸品が展示され、アイヌ工芸の魅力や歴史に触れることができます。
アイテムはそれぞれアイヌ文化の文脈を考慮した上でデザインされており、モチーフや素材について調べることで、アイヌ文化について深く知ることができます。
古くから日本人とは違った文化や生活様式を持って生活してきたアイヌ民族ですが、江戸時代には松前藩や商人による支配を受け、明治以降は政府による同化政策のために、その文化や生活習慣は破壊されてしまいました。
こうした雑貨を手に取って、それをきっかけにアイヌの人々の文化と、彼らを侵略してきた日本の歴史を改めて振り返ることも大切ですね。