高級ブランドに身を包むコンゴのサプール、メッセージの織り込まれた東アフリカの布・カンガ、ファッションからアフリカを知る“着る”アフリカ展

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 土臭い風景の中、洗練されたスーツに身を包む男たちの写真。

 1枚ごと、時に教訓、時に国の歴史がプリントされた美しい布。

 アフリカの日々の暮らしを描いたカラフルな絵画……。

 

 横浜のあーすぷらざ(神奈川県立地球市民かながわプラザ)では、“着る”アフリカ展が開催されています。8月に横浜で行われる第7回アフリカ開発会議に合わせ、アフリカのさまざまな衣にまつわる文化を紹介するというもの。

 

 会場入り口では”世界一お洒落な男たち”と呼ばれる集団「サプール」の写真とコーディネートが紹介されます。

 サプールとはフランス語で「お洒落で優雅な紳士協会」を表す言葉の頭文字を取ったコンゴの人々の呼称。彼らは、世界最貧国と言われるコンゴ共和国で、自らの年収の4割を海外の高級ブランド服に使っています。

 

 普段は質素な服装で生活していますが、土日の礼拝へ向かう際にはヴィヴィッドなコーディネートに身を包んで、街を練り歩きます。華やかな着こなしに合わせ、洗練された所作で歩き回る彼らを見るために、通りには人が集まってくるのだとか。

 

 会場には、あるサプールの「いい恰好をしていると争いを生まれないんだよ。5000ユーロの靴を履いていても、戦争で略奪されたら自分の負け。だからサップは争いごとはしない。平和が大切」という言葉が掲示されています。

 サプールたちの生活は必ずしも豊かなものではありません。にもかかわらず、高額の美しい服を自分流に着こなし、周りの人々のその美学をアピールするのは、そうした文化の力こそが人を笑顔にしたり、日常に彩りを与えてくれるものだと理解しているからでしょう。写真に映る彼らの着こなしはとてもヴィヴィッドで、時に奇抜なのにもかかわらず、とても洗練されています。そのたたずまいからは、自分自身のコーディネートを誇りに思う人々の強さや、ファッション文化が人に与える影響の大きさすら感じ取ることが出来ます。

 会場には日本で撮影された写真も。

 また、奥に進むとアフリカの暮らしを描いたルワンダ共和国のアートや、東アフリカで愛用されている一枚布カンガの展示、アフリカの民族衣装を着て写真を撮れるコーナーも登場。

 普段着としてはもちろん、赤ちゃんを背負うための布、インテリアなど、さまざまな用途に用いられるカンガ。

 カンガには、ジナというメッセージが記されています。冠婚葬祭で送られるような祝福のメッセージや、ことわざのような日常的なものから、政治家の発言や歴史上の事件についてのメッセージなど、社会に密接に関連したものまで、さまざまなジナがカンガに刻まれているのです。

 美しい布の中に、女性たちに寄り添うように刻まれたメッセージを見ていると、東アフリカの女性たちの姿が少しずつ立体的に見えてくるような気がしますね。

 展示を堪能した後は、会場のグッズを物色するもよし。アフリカ産の布はもちろん、サプールを映したポストカードや缶バッジも販売されています。

 ファッションの姿を通して、アフリカの多様な側面を見つめることが出来る、華やかで魅力的で、でも硬派な展示です。

 

“着る”アフリカ展
会期:2019年1月19日(土)~3月24日(日)
開館時間:10:00~17:00
会場:神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)
休館日:月曜
入館料:無料
HP:http://www.earthplaza.jp/ai1ec_event/kiru_africa?instance_id=
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