伝統工芸の紙の加飾技法を活かし、廃材や端材、不用品をもとに新たな作品を制作する展示「再生工芸展 -New Trashditioal Art-」が、10月22日から日比谷のオクロジで開催されます。
加飾技法とは伝統工芸における装飾の技術の総称のこと。有名なものに蒔絵や沈金などがあります。
今回の展示は、使われなくなったものをもう一度暮らしの中に蘇らせることを目的に、紙の加飾を専門とする会社・湯島アートの一色清氏がその技術を活かして制作したもの。「一点もの」を作り出す伝統工芸の力に着目し、モノの再生を目指します。(下図:加飾技法の施された食器、瓦、パーテーション)
伝統工芸の世界も、人材難や需要減により、その技術の活用や継続が難しくなっています。ものを作るだけでなく、「ものを再生する力」を見出すことで伝統工芸そのものも再生していきたいという願いが、同展示のねらいのひとつとなっています。
紙の加飾技法を異素材にほどこしたさまざまな作品は、伝統の技術を活かした上でその新たな可能性を見出そうという気概が現れています。
また、普段は和室の襖や屏風の装飾に使われているというこれらの技術は、さまざまな素材の思いも寄らない豊かさや美しさを引き出してくれます。
持続可能性のある社会への転換が叫ばれる今、こうした取り組みを通し、世界のあり方を考え直すきっかけとしたいですね。
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再生工芸展 -New Trashditioal Art-
会期:10月22日(土)~31日(日)
開催時間:11:00~20:00
会場:日比谷オクロジ(OKUROJI)
入場料:無料