伊藤理佐の「チューネン娘」(2004年)というマンガは、WEBで雑貨販売をする女の子が主人公。
彼女が、仕入れた商品をWEBに載せるときに、それまでただ単調な背景に置いたアクセサリーの写真を撮っていたのを、実際に身につけた写真を撮影したり、どんな気持ちで身につけたいのかをイメージして背景にハンカチや小道具を配置して撮影したりと、自分がそのアクセサリーと過ごす時間のことをイメージ出来るような写真に変えて売上を伸ばすという場面がありました。
今では当たり前になっているアイデアですが、13年前にはまださほど浸透していなかったのかもしれませんね。
こうした工夫を「骨董」という分野に積極的に取り入れたWEBショップが日本シブカワ研究所により開設しました。
その名も「Blue&Willow – Japan Vintage Market -」(ブルーアンドウィロー ジャパンヴィンテージマーケット)。
ホームページを開いてみると、白を基調にしたさっぱりしたデザインに、花瓶から小皿までさまざまな骨董の写真が並び、それぞれにキャッチコピーが添えられています。
金属の豆皿セットには、
「テーブルを飾る小さなシンバル」
柿右衛門の有田焼のおちょことソーサーのセットには、
「『シルバニアファミリー御用達』といったら柿右衛門先生は怒るだろうか」
ガラスの醤油差しには、
「昭和初期のしょうゆ瓶に一輪の花を」
などなど。
生活の中でどのようにして骨董と触れ合うかについて、イマジネーションを豊かにふくらませるような言葉が用意されています。
また、人の手を添えた写真を載せることで、使ってみた時のことを具体的にイメージさせるような配慮も。
骨董へのあこがれを喚起させるデザインがとても魅力的です。
骨董の天才・青山二郎と民藝の天才・柳宗悦からその名をいただいたというお店の名前には、新しい時代を切り拓いてきた二人に対するリスペクトの気持ちが込められているとか。
新たな出会いを演出する「Blue&Willow – Japan Vintage Market -」のWEBショップには、古い商品の新しい楽しみ方を見つけ出し、販売する際のヒントが眠っているかもしれません。
画像引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000028575.html