中国絵画の「金山農民画展 中国のレトロ&ポップ」

美術・博物館

 5月も後半!前半に遊んだせいで、お財布の中身が心もとない人も多いでしょう。だからというわけではないですが、今回はちょっと変わった入場無料のイベントを紹介します。

 

 日中友好会館美術館で、開催される「金山農民画展 中国のレトロ&ポップ」。

 

 金山農民とは聞き慣れない名前……と思った方、いらっしゃるでしょうか。実は記者が一瞬「金山さん?」と勘違いしたのですが、これは上海市金山区で描かれた、農村で暮らす人々の絵画のことなのです。

 

 中国では農村に暮らす人びとが自分たちの日常生活を題材に描いた絵画のことを農民画と呼びます。昔から農閑期などに絵画を楽しむ風習は人々の生活の中に存在していたのですが、ここで農民画と呼ばれるのは1950年代から70年代にかけて農業振興のプロパガンダアートとして広まったもののこと。

 もともと土地に根付いていた刺繍、切り絵、かまどの装飾などの技法を活かした、単純で平面的な構図とあざやかな色彩が特徴で、その力強い絵の一枚一枚から、人々の生活の喜びが伝わってくるようです。

 現在中国には20の農民画の郷がありますが、なかでも陝西省戸県、山東省日照市、上海市金山区は三大農民画地区と呼ばれているとか。

 今回の特集展示では、その金山区の農民画70点が展示されます。独特の色彩感覚と、力強いデザイン。そして、どこか懐かしいような、でもよく見ると日本とはちょっと違う人々の暮しの描写には、思わず目が吸い込まれてしまいます。どこかアンリ・マティスの絵画を思い起こさせる魅力がありますね。

 あまりまとめて展示されることのない農民画。雑貨好き・デザイン好きにもおすすめの注目の展示です。

会期:2019年6月6日(木)~6月26日(水)
休館日:月曜日
開催時間:10:00-17:00
会場:日中友好会館美術館
入場料:無料
HP:http://www.jcfc.or.jp/blog/archives/13745
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