近年、メトロポリタン美術館やニューヨーク公共図書館、大英図書館など、世界の大型公共施設によるパブリック・ドメインの無料ダウンロード化が進んでいます。
パブリック・ドメインとは、おもに著作権による保護期間を経過し、社会の公共財産として誰にでも自由に使えるようになった著作物のこと。また、保護期間であっても、著作者が自由に利用できるように解放した場合は、その著作物はパブリック・ドメインとして扱われます。
こうした無料ダウンロードのラインナップに、パリ市内の14の美術館が有する10万点以上のコレクションが加わりました。
今回の公開を発表したのは市内14美術館の所管を担当する公共団体「Paris Musées」。
公式ページ:http://parismuseescollections.paris.fr/fr
現在、該当のページから作品を検索し、絵画の真下に配置された、クリエイティブ・コモンズ・ゼロ表記の横のダウンロードボタンから、直接ダウンロードすることができます。
「美術館」「作者」「絵画か彫刻かなどの作品の形態」「年代」「色」といった項目で検索することもできるのが面白いですね。
公開された作家はクロード・モネ、ギュスターヴ・クールベ、エドゥアール・ヴュイヤール、ウジェーヌ・ドラクロワ、フランソワ・ブーシェ、ピエール・ボナールなど。絵画だけでなく、彫刻の写真なども公開されています。
今回の公開では、300dpiと高い解像度の画像が提供されているため、調査研究で細かく作品の特徴を見る必要がある人には、とても有益ですね。印刷に耐えうるのもうれしい。
パブリック・ドメインでは商用利用も可能なため、自身のプロダクトへの利用や、コラージュ素材としての活用も出来ます。義務付けられてはいませんが、作品のタイトル、著者名、「ParisMusées」のクレジット記載が同団体からは推奨されています。
さまざまな名作を目にしていると、文化都市・パリの底力を目にしたような気持ちになりますね。皆さんもぜひ利用してみてください。