今年の1月25日は中華圏における旧暦のお正月「春節」。中華街など、中華圏の人々が集まる地域や商店街では、獅子舞が舞ったり提灯が飾られたりと街が活気づきます。
そんな春節にぴったりの展覧会「ちいさな世界の物語 中国練り粉人形展」が、日中友好会館美術館で開催されています。
練り粉人形は中国の民間工芸のひとつで、小麦粉や米粉に顔料などを混ぜ、ねんどのように使い、人物や動物などを形作ります。中国語では、「面塑(ミエンスー)」や「面花(ミエンホァ)」と呼ばれています。
もともとは春節や中秋節、結婚式といった祭事の日に、手先の器用な主婦などが小麦粉などといった身近な素材で贈り物やお供え物として作るものでしたが、次第に職業として人形制作を職業とする人々が現れるようになりました。そして、作品も素材そのものを活かした素朴なものから、色鮮やかで様々な形をしたものへと変化し、清代末期には鑑賞を目的とした作品が数多く作られるようになりました。
現在ではその芸術性が評価され、上海や北京の練り粉人形は中国の国家級無形文化遺産に認定されています。
今回の展示では、中国国家級無形文化遺産伝承人・趙艶林(ジャオ・イェンリン)氏をはじめ、省や市で認定された無形文化遺産伝承人による作品が展示されます。
衣装を下着から作り、人間のように一枚ずつ着せて制作されたものもあり、職人たちのこだわりと高い技術を目にすることが出来ます。
また、中国の古典小説を題材にしたものや、日常生活を描写したものなど、多様なモチーフの人形が展示されているため、中華圏の文化に対する理解を深めることもできます。
さまざまな表情と色彩を見せる独特の質感と存在感の人形たち。なかなかまとめて見る機会のない人形たちを、ぜひこの機会にご覧ください。
休館日:日曜
開催時間:10:00〜17:00
会場:日中友好会館美術館
入場料:無料
HP:http://www.jcfc.or.jp/blog/archives/14675