少女マンガ雑誌「りぼん」の部数のピークは1994年の255万部と言われています。
マンガ雑誌が少女たちにとって友達とのおしゃべりのための大切なメディアであり、気持ちをドキドキさせてくれる物語との出会いの場であり、女の子たちの気持ちを知っている人生の先輩が描いた、たくさんのキュートなイラストとの出会いの場であった80~90年代。
それは、少女マンガのふろくがひとつの文化として大きく花開いていた時代でもありました。
当時は法律にとって雑誌につけられるふろくの重さや大きさ、素材に規制があった時代。紙素材を中心に作られ、人気マンガ家のイラストで彩られたふろくは、読者にとっての大きな楽しみでした。
カレンダー、トランプ、ノート、レターセットなどのシンプルなものはもちろん、組み立てるときちんと引いて取り出せるタンス形式のボックスや、ショルダーバッグなどなど。
一定の制約の中から、読者に喜んでもらうためにさまざまなふろくが作り出されました。ふろくのためだけに描かれ、デザインされたキュートなイラストは、読者の気持ちをときめかせ、親しみを持たせてくれる存在でした。
2001年の法改正により、ふろくの規制は撤廃され、今ではヘアアクセサリーやポーチ、時にはルンバ(!)など。さまざまなふろくが少女マンガ雑誌にもつけられるようになり、マンガ家のイラストを活かしたふろくは減ってしまいました。
しかし、80~90年代のチャーミングなふろくたちは、もっとも少女マンガ雑誌が売れた時代の記憶として作品とともに人々の心に残り続けています。
本書は、そんな少女マンガ雑誌「なかよし・ちゃお・りぼん」のふろくをたっぷりフルカラーで紹介。
イラストのかわいらしさはもちろん、ドア・メッセージ、ダイアリー、レターセットなどなどのふろくやそのデザインを眺めていると、マンガの中に出てくる登場人物の、ちょっと大人な生活に憧れる読者の顔が見えてくるようで、懐かしい気持ちになってきます。
また、イラストから時代ごとの人気ファッションがうかがえたりと、さまざまな角度から「ふろく」が主役のひとつだった時代を楽しむことができます。
これまでも少女マンガのふろくに関する本は多数出版されてきましたが、眺めて楽しむという意味ではこれが決定版!!
著者は「昭和ファンシー界の落武者」を自称し、昭和的ガーリー文化研究所の所長も務めるゆかしなもん氏。
あの頃の少女たちはもちろん、ガーリーイラスト好きにもおすすめの一冊です♪
著者:ゆかしなもん
発売:2019年10月8日
定価:1,600円+税
発行:グラフィック社
仕様:B6判 縦182mm 横128mm 240ページ
ISBN:9784766132762
昭和的ガーリー文化研究所:https://twitter.com/showateki_girly