小劇場演劇のポスターの歴史が1冊に!『劇場のグラフィズム アングラ演劇から小劇場ブーム、現代まで』が発売

書籍

 寺山修司の天井棧敷、唐十郎の劇団状況劇場、野田秀樹の夢の遊眠社、こまつ座、大人計画、ナイロン100℃……。

 演劇のポスターは最先端の挑発的なデザインが採用される場所であり、時代の空気を保存する記憶装置でもあります。

 60年代後半に劇団の旗印として登場し時代を挑発したアングラ演劇のポスターから、70〜80年代の演劇ブーム、そして現在のポスターが集結。時代の流れとともにポスターや演劇はどう進化したのか。美術価値の高いものから、演劇史に残るポスター、これから時代をつくる劇団のチラシまで約400点を収載した『劇場のグラフィズム アングラ演劇から小劇場ブーム、現代まで』はグラフィック社から発売されました。

 日本の小劇場の歴史のはじまりは1960年代。寺山修司の「天井棧敷」、唐十郎の「劇団状況劇場」、佐藤信の「68/71 黒色テント」などが牽引した「アングラ演劇時代」がそのはじまりとされています。これらの演劇は歌舞伎や新劇と一線を画す演劇のジャンルとして、いまなお、多くの人を魅了しています。

 しかし、演劇のポスターやチラシは公演が終わるとほとんど世に出ることはありません。そんな時代の記憶装置ともいえるポスターやチラシを細部までじっくりポスターを眺められるよう、A4サイズ判型で制作された同書。また、チラシ、ポスターは年代別に掲載されており、時代の変化を本を通して感じることができます。

 また、「演劇における宣伝美術とはなにか」をテーマに、佐藤信、白井晃、松尾スズキ、小川絵梨子にインタビュー。小劇場演劇の宣伝美術の歴史が集約された1冊となっています。

 現在、宇野亞喜良の大規模展示が現在東京オペラシティアートギャラリーで「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」(~6月16日まで)が開催されており、同書で紹介されたポスターも実際に目にすることができます。

 本を読んでから、美術館に出かけるのもいいですね。

書名:劇場のグラフィズム アングラ演劇から小劇場ブーム、現代まで
著者:笹目浩之
発売日:2024年3月
仕様:A4 並製 総304頁
定価:4,950円(10%税込)
ISBN:978-4-7661-3819-1
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