強気な愛鳥レーズンから広がった唯一無二の世界「やまゆりのさん」インタビュー(前編)

インタビュー

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作品タイトル「放っておけるわけないじゃない」

■雪景色の中、トレンチコートにたばこをくゆらせる桜文鳥と、それを木の横で見守る赤いコートの白文鳥。どこか映画のワンシーンを思わせる不思議なイラスト。

アクリル絵の具の重量感と明るい色合いが独特の世界を作り出しています。

イラストの作者は画家のやまゆりのさん。

小学校5年生の時に飼い始めた桜文鳥のレーズンと白文鳥のチッチの2匹をモチーフにした独特の世界観のイラストで高い人気を得ています。

ただ可愛らしいだけでなく、どこか不思議な奥行きのあるオンリーワンの世界。

今回は、彼女にその個性的な「やまゆりのの世界」が出来るまでとこれからの目標を聞いてみました。

―まず、絵を描き始めた頃のことを教えてください

子供の頃から絵が好きで、一番好きな絵をちゃんと勉強したいという気持ちから、横浜美術短期大学グラフィックデザイン課に進学しました。ただ、グラフィック課を出たけれどアナログが好きで……。最初は水彩色鉛筆を水に溶かさずにクレヨンみたいに使ったり、羊毛フェルトを作ったりしていたのですが、そのうちキャンパスにアクリル絵の具で描くのが楽しくなってきて、今は基本的にその方法で制作しています。

文鳥の絵は小5の時に飼い始めてから、小中高とずっと描いていました。今でも学校の友達や先生に会うと「文鳥描いてたね」と言われるくらい。だから、文鳥なら資料を見なくても自分の中にあるもので描けるんですよね。

― レーズンのニヒルな雰囲気はとてもインパクトがあります。私がゆりのさんを知ったきっかけもレーズンのポストカードでした。こういったアイデアはどうやって生まれてきたのでしょうか。

レーズンは本当にこんな雰囲気の文鳥でした。もし人間だったらこんな風ではと言うのをふくらませて描いているんです。気が強くて、怒って噛みついたり、水浴びはいつも自分がいちばん先と主張したり。でも、一方で人間にはよくなついていて、奥さんのチッチを大事にしたり、子育て上手だったりとギャップも魅力的でした。

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在りし日のレーズン
― 独特の世界観を作るのに、意識していることは?

ストーリーを考えて、それをキャプションに反映するようにしています。何となく描き始めてしまうと、何となくの絵になってしまうので。

お客さんにも「キャプションが独特ですね」とよく言われます。

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作品タイトル「知ってるわ。私がクマにキスしたら、あなたがあわてて来てくれること」
― 影響を受けた作家などはいますか?

絵本画家のスズキコージさんの絵本が好きで、小さい頃よく読んでいました。ほかには、ゴッホの余白なしでびっしりキャンパスに画を描くところは、今の描き方につながっているかも。

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ゆりのさんお気に入りのスズキコージの絵本「エンソくん きしゃにのる」

ヨーロッパが好きなのであまり描かなかった時期に海外旅行に行ったりしていました。そこで見てすてきだと思ったものが、今作品に出ているかもしれません。

(後半に続きます)

-やまゆりのさんの活動予定-

■展示
・心うるおう小鳥ガーデン2016
会期:6月22日~28日
10:00~20:00(最終日17:00迄)
会場:阪神梅田梅田本店 8階催事場

・PANSY BULLDOG やま ゆりの 個展
会期:6月29日(水)~7月11日(月)
12:00~19:00
日曜日:13:00~17:00
定休日:火曜日
会場 : 関西つうしん

・原画展示販売
会期:7月1日~31日
10:30~19:00
定休日 :日・祝
会場:MONOTIAM

■ラジオ出演
6月26日(日)22:30~23:00
FMうらやす83.6MHz
番組名「喫茶りせっと。」

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