古い商店街についた新しい灯り―山形七日町のとんがりビルを訪れました

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久々に地元の街に帰ってみると、なんだか街が寂れている。昔あった大切なお店は閉店して、通りを歩く人の姿も減ってしまった……。

 

こんな経験をお持ちの方、少なくないと思います。
ライターIは普段は東京・神奈川で生活しており、たまに祖父母のいる山形を訪れるのですが、山形もやはり人口減少、お店の閉店が続いていて、寂しい気持ちになります。

 

ですが、そんな地方都市の中で、新しい試みを始める人たちもいます。

 

いつも東京近郊の話題ばかりのplesheですが、今回山形への帰省で訪れた素敵なスポットをご紹介します。

 

山形市七日町。かつてはデパートや映画館が並び、多くの人が訪れる町でしたが、今ではテナント募集の文字が目立つ商店街になっています。

 

しかし、よくよく歩いてみると、古い建屋や懐かしい雰囲気の呑み屋や生活用品店の中に、都会的なカフェやかわいい雑貨屋があるのが目に留まります。

 

そんな七日町の、ひときわ開けて新しい、でもどこか地に足の着いた雰囲気のビル。それがとんがりビルです。

1階は山形のアーティストや生産者たちの商品を集めたカフェ兼ショップ(レンタルスペース)。上階にはデザイン事務所・写真スタジオ・家具ショールームなどが入居しています。

入り口左手には農園のりんご。ガラス扉を開くと、山形ならではのおみやげや、アパレル、雑貨などが並びます。 左手のカフェでも、山形の生産者が作ったおいしいコーヒーやサンドイッチをいただくことが出来ます。

奥にはライブハウスや映画、ギャラリーなどのチラシが集められた台も。ここで映画の上映やトークイベントなども行われているのだとか。

お店の方に少しお話をうかがうと、山形は今古い家屋のリノベーションが進み、少しずつ街中で新しいお店を始める人が増えているのだとか。

 

ショップには山形ドキュメンタリー映画祭のポストカードもあり、たしかにそういうイベントの後に立ち寄ることが出来たら楽しそうだなんて想像しました。

 

お店の商品には山ぶどうジュースや、山形の民芸品のお鷹ぽっぽの姿も。面白いのは、ずいぶん今時風に見えるこのお鷹ぽっぽのデザインや色付けが今ではあまり使われなくなった古い柄のつけ方だということ。一周回っておしゃれに見えるのかもしれません。

山伏の坂本大三郎氏もお店を持っており、彼の持ち物である剥製が置いてあるところがなんとなく東北らしいですね。

もちろん、こうした場所は作るだけでなく維持がとても大変ですが、人が少なくなっても街の中に新しい風を吹かせようとする人がいて、そこに集まってくる人々がいるのだというのを見て、明るく暖かい気持ちになりました。

 

もし、あなたが山形に訪れる機会があれば、ぜひ七日町を歩いてみてください。そして、たとえ機会がなくとも、自分の街や故郷を改めて歩いて見てほしいです。

 

意外なところで魅力的な空間に出会い、そこで働く人々と会えるかもしれません。

とんがりビル
山形県山形市七日町二丁目7番23号 とんがりビル
TEL. 023-679-5433(株式会社マルアール)
HP:https://www.tongari-bldg.com/

※雑居ビルのため、ビル全体の営業時間はありませんが、カフェ&ショップスペースの「この山道を行きし人あり」は営業時間:8時〜18時、定休日:水曜となっています。

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