精巧なミニチュアに思わずため息が「魅惑のミニチュア ドールハウスの世界展」が開催

美術・博物館

 古くは16世紀、ドイツの公爵が娘のためにミニチュアの家を作るように命じたことからはじまったと言われるドールハウス。

 ドールハウスはマイスターと呼ばれた高い技術者によって制作され、裕福な貴族階級や商人たちのステイタスシンボルとなりました。その後、18世紀の産業革命により、安価な材料で量産が可能になると一般の人々にも広まり、人気を博していきます。

 日本では、1970年代に知られるようになり、その後、エポック社の商品「シルバニアファミリー」を通して親しまれていくようになりました。

 そんな長い歴史を持つドールハウスの展覧会が、横浜のそごう美術館で始まります。

 

 見どころは、箱根ドールハウス美術館所蔵のアンティークのドールハウスと、日本ドールハウス協会が提供する現代作家のドールハウス。

 

 アンティークドールハウスは小洒落た建物のデザインが魅力の1911年のドールハウスから、さまざまな日本やスイス、トルコなど様々な国のモチーフが散りばめられた1880年作のアメリカのドールハウスまで様々。

 

《キッツ・コティ・ハウス》 1911年、イギリス 幅81×奥行50×高84cm

《ダブリン・タウン・ハウス》1840年、アイルランド 幅115×奥行48.5×高125cm

 

 

《デニスの家》 1880年、アメリカ 幅106×奥行57.5×高87.5cm

 

 中でも印象的なのは、イギリスで制作された制作年不明の「英国の鉄工場」をモチーフにしたもの。もともと営業用のサンプルとして制作されたものが好評を博し、一般に流通するようになったとか。ボイラーまで丁寧に再現した見事な出来栄えで、歴史資料としての価値も感じられます。

 

《英国の鉄工場》 制作年不明、イギリス 幅90×奥行72×高71cm

 

 日本ドールハウス協会のドールハウスでは、ティディベア・ミュージアムや海鮮居酒屋、町家など、さまざまなモチーフが登場。

 

 現代社会をモチーフにしたものは、小物の凝りようがよくわかって思わず微笑んでしまいます。

 

 《テディベア・ミュージアム》 倉林進

 

 

《大衆居酒屋大漁丸》 河合行雄

 

 

《サロン》 小川富美子

 

 

《長江家住宅》 島木英文・啓子

 

 

《信州こもろ酒店》土屋靜

 

 

《ロビンソン》 遠藤大樹

 

 過去、そして現在のドールハウスの魅力に迫る展覧会。来週末の4月16日から開催です。

 

魅惑のミニチュア ドールハウスの世界展 世界のアンティーク~現代日本作家の超絶技巧
会場:そごう美術館
会期:2022年4月16日(土)~5月15日(日)
開館時間:10:00~20:00(入場は19:30まで)
入場料:一般1,200円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料
HP:https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/22/dollhouse/

 

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