優れたデザイン性と自由な素材の組み合わせで新時代を彩ったコスチュームジュエリーの大規模展覧会が開催

美術・博物館

 コスチュームジュエリーという言葉を知っていますか? 20世紀初頭、コルセットでウエストを締め上げる時代が終わり、働く女性向けの動きやすいファッションが登場した頃。

 宝石の価値を競うような既存の宝飾品とは違った、新しい時代の服装にふさわしいアクセサリーを、という求めに応じて生まれたのがコスチュームジュエリーです。1950年に、ハリウッドの女優達が映画や舞台で身に着けた事からこう呼ばれるようになりました。

 コスチュームジュエリーの多くは高価な金やダイヤモンドなどの貴金属は用いず、あえてガラス、模造真珠、貝、布、半貴石などを用います。これにより、デザイナーは素材の制約や固定観念から解放され、新しいデザインを生み出すようになりました。コスチュームジュエリーは自由な素材で作られたファッションジュエリーの総称ともいえるでしょう。

 新時代の波にのって誕生した“新しいファッション”。前例のない服装のために華々しく、そしてユニークに誕生したコスチュームジュエリー。その大規模展示販売「コスチュームジュエリー展 ― 美の目覚め ― 小瀧千佐子コレクション」が、和光 本館6階 和光ホールで行われます。

 

 コスチュームジュエリーの世界的コレクターである小瀧千佐子氏が、パリ、ロンドン、ミラノ、ブリュッセルから集めたジュエリーの総点数は500点超え。シャネル、ディオール、イヴ・サン・ローランなどのヨーロピアンコスチュームジュエリー、そしてミリアム・ハスケルやトリファリなどのアメリカンコスチュームジュエリーも一堂に会し、ヨーロッパや日本各地の美術・博物館でも展示歴のある非売品から、1万円台のイヤリングまで幅広く展示販売されます。

 また同時に、小瀧氏のコレクションである1920年代に制作されたのアール・デコ様式のビーズドレスの展示や、ヴィンテージの金具やファブリックを生かしつつ、現代でも使用可能にリメイクされたハンドバッグなども販売予定とのこと。

また、イタリアの著名なファッション写真家・ジャン・パオロ・バルビエリ氏が撮影した写真の、和光のウインドウディスプレイならびに会場内の特別展示も。

 宝飾品では叶わない豊かなデザインバリエーションと、現在では実現不可能な見事な職人技によるクリエイション。歴史に残る美しいジュエリーの数々を、会場で堪能してはいかがでしょう。

 

 

コスチュームジュエリー展 ― 美の目覚め ― 小瀧千佐子コレクション
会期:2021年11月10日(水)〜16日(火)
開催時間:10:30 – 19:00(最終日は17:00まで)
会場:和光 本館 6階 和光ホール
入場料:無料
HP:https://www.wako.co.jp/exhibitions/844

 

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