伝統工芸を支える道具を紹介する展示が京都で開催

美術・博物館

京都伝統産業ミュージアムは10月22日(日)まで、『職人の道具展 Tools of Craftsmen』を開催しています。

膨る、削る、打つ、締める、塗る等々、伝統工芸の“ものづくり”の中には、職人の熟練の技によって作られた様々な道具が存在します。

伝統工芸品の制作工程で使われる道具には、そのひとつひとつに使い手の高い要求に応えるためのこだわりと、創意工夫が込められているのです。

同展では、このような「職人が使う道具」「職人が作る道具」に視点を置き、それらの底に流れる職人気質を通して京都の伝統工芸を観てみようと試みています。

丸い竹を等分に割るための「竹割」や、竹の枝を落とすためだけに使われる「枝打ち鎌」など、初めて聞く名前の道具も。

職人の技術と感性を生み出す道具の魅力に加え、道具を作る職人の減少といった課題も紹介しています。たとえば、下の写真の鏨(たがね)を作れる職人が現在一人しかおらず、今後が危ぶまれています。

多くの人に認められながら、一方で全国的に衰退の傾向にある伝統工芸。その現状について考え、共有する試みでもあります。

最終日までは毎日、職人による制作実演が行われ、京都の伝統工芸品の制作工程を間近で見ることができます。

職人たちの積み上げてきた歴史と今を知ることのできる意義のある展示です。

■ 出展工房
京瓦 浅田製瓦工場/錺金具 錺金具竹内/京焼・清水焼 洸春窯/京漆器 高木漆工/伏見人形 丹嘉/京銘竹 長岡銘竹株式会社/京の神祇装束調度品 牧神祭具店/京の神祇装束調度品 山本合金製作所/京友禅 山元染工場

職人の道具展 Tools of Craftsmen
会期:2023年9月23日(土)~10月22日(日) ※休館日 9月25日(月)
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
会場:京都伝統産業ミュージアム
入場料:一般 500円、団体 400円(20名以上)、京都市外の小中高生 400円(20名以上の団体は300円)

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