絵本を通して作家のイマジネーションをのぞき見る「三原順の空想と絵本展」

その他

 前回ご紹介したテオドラ邸で開催中の「三原順の空想と絵本展」。こちらも展示室は大きくないながら、マンガ展としては凝った展示でした。

 三原順さんは1995年に亡くなったマンガ家。哲学的でありながら、社会と個人とのかかわりを深く考え抜いた独自の物語と、微細かつかわいらしい絵で人気を博していました。

 同展は、そんな三原さんが生前に描いたトランプの原画を軸に、作品のモチーフやインスピレーションのきっかけになったと思われる絵本や画集を展示するという企画展。

 展示台の引き戸には、三原さんが所蔵していたという絵本と、技法を参考にしたのではないかと思われるページが実際の原画と同時に並べられていて、作家の好奇心や創造性がどのような形で作品に落とし込まれるかを目の当たりにすることができます。

 また、展示室には直接手に取って中身を読むことができる本も用意されており、作品世界により接近することができます。

 物販では、展示されている絵本の詳細を解説したパンフレットと、トランプの原画をもとに新たに制作したという絵本も販売中。

 出版社やギャラリーではなく、三原さんの熱心なファンが主催しているという同展。ファンならではの熱意のある企画や展示が刺激的な内容でした。

 「三原順の空想と絵本展」は4月9日まで。4月12日からは「松苗あけみ展~spring has come~」が開催されます。

 こちらも洋館に合った素敵な展示になりそうですね。

三原順の空想と絵本展
会場:旧尾崎テオドラ邸 2Fギャラリー
会期:2024年3月15日(金)~4月9日(火)
開館時間:10:00~18:00(毎週木曜休館)
入場料:大人/小中高大学生 1000円(税込) 未就学児無料(館内ベビーカー不可)
HP:開催概要 | 三原順の空想と絵本展 (moonlighting.jp)
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