やどかりに日本家屋を背負わせたり、絶滅した馬を氷によって再生させたり/美術家AKI INOMATA、初の作品集が発売。

書籍

 透明な殻を被った小さなやどかり。これは現代美術家のAKI INOMATAによる《やどかりに「やど」をわたしてみる》という作品です。

 この透明な殻は、3Dプリンターで制作した各国の都市の家屋を模しています。やどを住み変えながら歩くやどかりの生き方を見ていると、時にやどが窮屈なものに思えたり、やどを背負って歩くやどかりがたくましく見えたりします。

 また、《ギャロップする南部馬》では、十和田を含む青森県南部地方で飼育されていた南部馬を題材にしています。絶滅した南部馬の骨格標本をミニチュア化し、氷によって肉付け。さらに、コマ撮りによって雪原を走らせるという手の込んだことを行っています。

 生き物をモチーフに個性的な作品を作りづけてきたINOMATA氏。彼女の初作品集が25日に発売されました。

 《やどかりに「やど」をわたしてみる》《ギャロップする南部馬》も含め、13のプロジェクトが本人の解説と美しいビジュアルで紹介されています。

 生き物の持つ美しさや面白さを独自の方法で表現し、自然と人間のあり方を見つめなおさせてくれる彼女の作品を、一望できる待望の一冊です。

『AKI INOMATA: Significant Otherness 生きものと私が出会うとき』
著者:AKI INOMATA
発売:2019年10月25日
定価:3200円+税
発行:美術出版社
仕様:A5判、上製、176ページ
ISBN:978-4568105209
作家HP:https://www.aki-inomata.com/

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